EC261 vs UK261 完全比較 — Brexit後の日本人旅行者完全ガイド2026
Brexit後、ヨーロッパの航空乗客権利は二つの法律体系で守られています。EU規則EC261と英国規則UK261の9つの相違点を徹底比較。どちらが適用されるかを日本人旅行者向けに完全解説します。
2020年12月31日のBrexit完了後、英国はEU加盟国規則 EC261/2004 とは別個の独自規則 UK261(The Air Passenger Rights Regulations 2019)を運用しております。日本人旅行者にとって、これは「ヨーロッパ航空乗客権利」が二つの異なる法律体系で守られていることを意味します。両者は基本構造が同じですが、補償額、通貨、時効、申請機関に重要な違いがあります。本ガイドでは、EC261とUK261を9つの観点から徹底比較し、日本人旅行者がどちらの規則の対象になるか、どう活用するべきかを完全解説いたします。
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9項目の比較 — 完全比較表
| 項目 | EC261/2004 | UK261 |
|---|---|---|
| 適用開始 | 2005年2月17日 | 2021年1月1日(Brexit後) |
| 根拠法 | EU理事会規則 261/2004 | Air Passenger Rights Regulations 2019 |
| 適用機関 | EU加盟国NEB各国 | UK Civil Aviation Authority(CAA) |
| 基準通貨 | ユーロ(€) | ポンド(£) |
| 補償額(最大) | €600 | £520 |
| 補償額(中間) | €400 | £350 |
| 補償額(最低) | €250 | £220 |
| 時効 | 加盟国別(1〜5年) | 6年(イングランド・ウェールズ) |
| 判例 | EU司法裁判所 | UK控訴裁判所 |
補償額の実質比較
£520 ≈ €620 ≈ 100,000円(為替変動あり)。UK261はEC261とほぼ同等であり、わずかにUK261が高い(£520 対 €600)ですが、為替変動により実質的に同等です。
適用範囲の違い
EC261の適用範囲
- EU加盟国(+アイスランド・ノルウェー・スイス)の空港から出発する全便
- 第三国からEU加盟国に到着するEU航空会社が運航する便(条件付き)
UK261の適用範囲
- 英国の空港から出発する全便
- 第三国から英国に到着する英国航空会社が運航する便(条件付き)
重複と競合の可能性 — 原則は「出発空港の規則が優先」
ロンドン(LHR)→ パリ(BA運航)
UK261対象
英国出発 → UK261が優先
パリ(CDG)→ ロンドン(BA運航)
EC261対象
EU(フランス)出発 → EC261が優先
日本人旅行者への影響
東京↔ロンドン便の場合
| 便 | 方向 | 適用規則 | 最大補償 |
|---|---|---|---|
| JL43 / NH211 | 東京 → ロンドン | 対象外 | — |
| BA005 / VS901 | 東京 → ロンドン | UK261(条件付き) | £520 |
| JL44 / NH212 | ロンドン → 東京 | UK261 | £520 |
| BA006 / VS900 | ロンドン → 東京 | UK261 | £520 |
EU加盟国出発便(FRA・CDG・HEL・AMS等)はEC261対象(€600)。各路線の詳細はそれぞれのガイドをご参照ください。
申請機関の違い
EC261申請機関(NEB)— 国別
| 国 | NEB | 対応言語 | 時効 |
|---|---|---|---|
| フランス | DGAC | 仏・英 | 5年 |
| ドイツ | LBA | 独・英 | 3年 |
| オランダ | ILT | 蘭・英 | 2年 |
| イタリア | ENAC | 伊・英 | 2年 |
| スペイン | AESA | 西・英 | 5年 |
| ポーランド | ULC | ポ・英 | 1年 |
| フィンランド | TraFi | 芬・英 | 3年 |
UK261申請機関 — 英国CAA
英国 Civil Aviation Authority(CAA)
言語:英語のみ。処理期間:3〜6ヶ月。費用:無料。効力:勧告(拘束力なし)。ただし航空会社の遵守率は高い。
英国小額訴訟(Money Claim Online)
オンライン提訴可能。費用:£35〜£455。期間:4〜12ヶ月。拘束力あり。ClaimWingerが代行。
時効の決定的違い
UK261の6年時効 — EU加盟国すべてより長い
ロンドン出発便であれば6年以内のフライトが請求対象。フランス最長の5年を上回り、ドイツ(3年)の2倍。過去のLHR発着便を長期放置していた方も今すぐ確認する価値があります。
| 規則・国 | 時効 | 備考 |
|---|---|---|
| UK261(英国) | 6年 | Limitation Act 1980、最長 |
| EC261 — フランス | 5年 | EU最長 |
| EC261 — スペイン | 5年 | |
| EC261 — ドイツ | 3年 | |
| EC261 — フィンランド | 3年 | |
| EC261 — オランダ | 2年 | |
| EC261 — ポーランド | 1年 | EU最短 |
共通する基本原則
補償発生条件(EC261・UK261共通)
欠航:14日以内の通知 + 代替便条件不適合
3時間以上の遅延(最終目的地到着時)
強制搭乗拒否(オーバーブッキング)
補償額の距離別計算(通貨のみ異なる)
| 距離 | EC261 | UK261 |
|---|---|---|
| 1,500km以下 | €250 | £220 |
| 1,500〜3,500km | €400 | £350 |
| 3,500km超 | €600 | £520 |
また、EU司法裁判所判決(C-549/07、C-28/20等)はUK261にも引用されており、「特殊事情」(天候・ATC・安全)の解釈もBrexit後も実質的に維持されています。ケアサービス(食事・通信・宿泊)の義務も両規則で共通です。
よくある質問(FAQ)
EC261とUK261で補償額がほぼ同じなのはなぜですか?
UK261はEC261をベースに設計されており、英国がBrexit時に航空乗客権利を維持する政策を取ったためです。UK261の最高補償額£520(≈€620)はEC261の€600とほぼ同等です。
東京→ロンドン便はEC261、UK261どちらの対象ですか?
東京発のJAL(JL43)・ANA(NH211)便はどちらの規則も対象外です。BA005・VS901は英国航空会社運航のため条件付きでUK261対象。LHR発便(JL44、NH212、BA006、VS900)はすべてUK261対象(£520)です。
UK261の6年時効は本当に有利ですか?
はい。EU加盟国で最長のフランス(5年)より1年長く、ドイツ(3年)の2倍です。ロンドン出発便であれば6年以内のフライトが請求対象となり、長期間放置していた案件も活用できます。
EU加盟国経由でロンドンに到着した場合はどちらが適用されますか?
出発空港の規則が優先されます。例:パリ→ロンドン(AF運航)はパリ出発のためEC261対象、UK261は非対象。逆にロンドン→パリはLHR出発のためUK261対象です。
UK261の判例はEC261と同じですか?
基本的に同じです。Brexit以前のEU司法裁判所判決(C-549/07、C-28/20等)はUK261にも引用され、英国控訴裁判所も類似の判断を維持しています。Brexit以降も独自の判例が積み上がっています。
ClaimWingerはEC261とUK261の両方に対応していますか?
はい。ClaimWingerはEC261(EU加盟国NEB申し立て・裁判所対応)、UK261(英国CAA申し立て・Money Claim Online訴訟)の両方に対応しています。どちらの規則対象かも弊社が無料で判断いたします。
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